「「言えない」」


黙って頷く

ここまで来たら
帰るわけにもいかないだろう


聞くだけ聞いてやろうだなんて
上から目線で話を聞くことにした私は
先生の言う「少し」の意味を
全くもって理解していなかった



いや、むしろ先生が
その意味を履き違えていた



「僕がここ、東隣高校に来る前の話です。愛光学園はご存知ですよね?
あのお金持ち高校と名高い...」

「愛光学園って...
あ、あの有名な愛学ですかっ!?」


あまりの驚きについ口を挟んでしまった

だってあの名門校に先生が、?
え?え?
頭よくてお金持ちしかいけない
あの学校に先生g「何か言いたげですね、喧嘩なら買いますよ?」

まずい、
表情筋まで私を裏切るのか

「つ、続けてください」

咄嗟に顔を覆った



「...まぁその愛光学園で初めて
担任をさせてもらった時の話です」

「え、先生って先生になって2年目n「最後まで聞いてくれますか?」

頭に拳が降ってきた
いたた

涙目で頷く


「僕の持ったクラスはとても優秀で、そうですね...遊月さんみたいな人は1人もいませんでしたね(笑)」


言い返そうと口を開けた

我慢して最後まで聞こうと決めた



だって
その時の先生の表情が
怖くて悲しそうで


「もちろん明るい人もいましたよ
でも...
どれも本当の笑顔じゃないんです」



私の方を向いていた視線が

いつの間にか空を映していた



「みんな、成績のために笑うんです
暗く沈んだ顔は
評価を落とされてしまうから」


悔しかった

人の話を黙って聞くことしかできない、
そんな自分が


「何泣きそうな顔してるんですか」