部室の中の恋人

あれは、私が中学1年生の時――…


夏休みも終わり、授業や部活の日々がまた始まる。

美術部に入っていた私は、10月にある文化祭に展示する絵をどんなものにするか迷っていた。

何か物を描くより、景色を描く方が好きな私。

だけど、“描きたい”って思う場所がなかなか決まらず、学校内をふらふらと歩いていた。


校舎から外に出ると、グラウンドからサッカー部の人達の掛け声に混ざって、見学しているのであろう女の子達の黄色い声が。

きっと雨宮先輩がシュートを決めたのかな?

なんて思いながら、グラウンド脇を歩いていると……


「危ないっ!!」


えっ?


私は声のした方を見る。

すると、サッカーボールが私に向かって飛んできていた。