部室の中の恋人

私達がドアの所まで行くと


「先輩、さっき話した……」


拓真が雨宮先輩達に私と多恵を紹介しようとする。


「あれ?麻美佳ちゃん?」


その時、雨宮先輩は私に気付き、拓真の言葉を遮る。


「えっ?先輩、まみの事知っているんですか?」


拓真はびっくりして雨宮先輩に聞いている。


「あぁ、同じ中学の後輩だろ?」


雨宮先輩は、拓真にそう答えると


「中学の時、話した事あるよね」


そう言って、雨宮先輩は私に笑顔を向ける。


大好きな雨宮先輩が目の前にいる。

ただでさえ、その状況に緊張している私。

向けられた優しい笑顔に、私の心臓はますます早くなり、顔が熱くなっていくのが自分でもわかる。


雨宮先輩、

私の事、覚えていてくれたんだ……


中学の時、雨宮先輩と話をしたのは2回だけ。

まさか覚えてくれているなんて思っていなかった。

だから、私はすごく嬉しかったんだ――…