部室の中の恋人

「そっか……。なぁ、まみは雨宮先輩に告白しないの?」

「……私、フラれているから」


私は気持ちを認めたから、あとはもう正直に答える。


「そうなんだ。……まみ、諦めないの?」


“諦めない”と言うよりは、“諦められない”のだけど……

私だって、何度も諦めようと思った。

だけど、雨宮先輩に好きな人がいるとわかっても、フラれても、雨宮先輩に優しくされる度に

やっぱり雨宮先輩の事が好き

そう感じてしまう。


「諦めないっていうか、なかなか諦められないというか……」


瀬戸の言葉に苦笑いになりながら答える。

私だって諦めが悪いって事くらいわかっている。

わかっているのだけど……


「そうなんだ……」


瀬戸がそう呟いた瞬間

腕をグイッと引っ張られ、気が付けば、私は瀬戸の腕の中に。