「いーよ、いーよ。私の事は気にしなくていいから、行ってきなよ」


断る私に


「……わかったよ。いつも片付けありがとうな」


しぶしぶ返事をしながら、瀬戸は立ち上がり


「じゃぁ、おつかれ」


そう言って、校舎に向かって走って行く。


クラスも部活も一緒で、仲の良い男友達。

だけど、今まではこんな風に『手伝う』なんて言われた事はない。


何の気まぐれだろう?


そんな事を考えながら、私はボール磨きの続きをする。


すると


「仲良いんだね」


後ろから声がする。