「でも、一人じゃ大変だろ?」

「多恵ももう戻って来るから大丈夫だよ」


なんて言いながらも、

もしかしたら今日も雨宮先輩が手伝ってくれるんじゃないか

なんて、期待をしてしまっている自分がいる。


「今日、料理部のある日でしょ?行ってきなよ」


そう、今日は料理部の部活の日。

拓真や他の部員達は嬉しそうに、校舎に向かって歩いている。


「あぁ……。なぁ、まみは行かないのか?」


瀬戸は校舎に向かって歩いている部員達を見てから私を見る。


「えっ?行かないよ。それに、まだ片付けもあるし」

「じゃぁ、やっぱり手伝うから一緒に行こうよ」


瀬戸はにかっと笑い、ボールを手に取る。