「さっき、走って行く麻美佳ちゃんを見たらさ……、このままどこか遠くへ行ってしまうんじゃないかって思って。麻美佳ちゃんが離れて行ってしまうんじゃないかって。それがすごく嫌だと思ったんだ」

「……なんで?」


本当に雨宮先輩が何を考えているか、全くわからない。

だって、はっきりとフラれる言葉を言われる前に遮ったとはいえ、フラれたという事実には変わりない。

なのに、何で?


「麻美佳ちゃんの気持ち聞いておきながら、勝手な事を言っているのはわかっている。でも、今までみたいに、いつも近くにいて笑っていて欲しい」


正直、雨宮先輩への想いは、フラれたからと言って、すぐに忘れられるような想いじゃない。

フラれているのにそばに居るのは辛くない?

今まで通り、そばに居る事が出来るのであれば、私だって嬉しい。

だって、やっぱり雨宮先輩の事が好きだから。

だから、私は結局、これからもそばに居られる方を取る。

自分で辛くなる方を選んでいる気もするけど……