「試合で負けが決まった時なんてさ……。

負けが決まった瞬間は麻美佳ちゃんもすごく悲しそうな表情なんだけど、俺達がベンチに戻る時には笑顔で迎えてくれるだろ?でもさ、麻美佳ちゃん、笑顔なんだけど、目は涙目で……。

そんな麻美佳ちゃんを見ると、“次は絶対勝つ”って思うんだ。それにさ、俺、麻美佳ちゃんの笑顔を見ていると、いつも癒されるから、麻美佳ちゃんの笑顔を見たいって思うんだ」


ねぇ、雨宮先輩……

何が言いたいの?


ずっと……

中学の時から好きだった人。

そう簡単に諦める事は出来ないけど、フラれた私は“諦めなきゃな”と思っている。

だけど、こんな風に言われたら

私、頑張ったら、雨宮先輩に好きになってもらえる可能性あるのかな?

なんて思っちゃうよ?


可能性あるかもって、期待してもいいですか?


何をどう答えたらいいのかわからず、ずっと黙っている私。


「ごめん。何がいいたいのか、わからないよな」


そう言いながら、雨宮先輩は苦笑いしながら私を見る。