部室の中の恋人

「ありがとう。でも、その子、その相手と付き合うんだって」


そう言う雨宮先輩の顔はやっぱり悲しそう。


えっ?

でも……


「……拓真、彼女が出来たなんて言ってない」


私はつい言葉に出てしまった。


「えっ?麻美佳ちゃん、俺の好きな人の事、知っているの?」


雨宮先輩は、私の右腕を掴み、驚いた顔で私を見ている。


「あっ、えっと……」


どうしよう……

私が雨宮先輩の事を見ていた事がバレてしまう。


「麻美佳ちゃん?」


雨宮先輩は、焦る私を急かすわけでもなく、優しく見つめる。