部室の中の恋人

「あっ、そうだ!多恵もマネージャーやらねぇ?今いるマネージャーの先輩は夏で引退だし。その後、まみ一人じゃ大変だろ?」


なんて拓真は多恵も誘っているけど……


「ちょっ、ちょっと待って!私、マネージャーやるなんて、一言も言ってないっ!!」


そう言いながら、多恵の方を向いて話している拓真の腕を掴む。


「えっ?でも、まみ、『やらない』とも言ってないもん」


拓真は悪戯っ子のような顔をして言う。


「えっ?まぁ、言ってないけど……」

「なら、いいじゃん!それにまだ、美術部に入部したわけじゃないんだろ?」

「まぁね……」

「なっ、お願い!!」


必死にお願いをしてくる拓真を見ていると

マネージャー、やってみようかな?

なんて気になってくるけど……


「でも……」


雨宮先輩と一緒に居られる事は嬉しい。

だけど、雨宮先輩目当ての人の入部を断っているという事は、私の気持ちは絶対に言えないって事。

まぁ、それ以前に気持ちを伝える勇気なんて無いのだけど。