部室の中の恋人

ある部活の日。

みんなが練習中に部室の掃除をしていると


「あれ?麻美佳ちゃん一人?」


振り返ると、雨宮先輩が部室に入ってくる。


「今、多恵はバケツの水を替えに行っていて……」

「そっか」


大分慣れてきたとは言え、雨宮先輩と話す時はやっぱりドキドキする。


「あれ?先輩、練習は?」


今、みんなは練習中。

運動部の人達は部室で着替えている。

だから、練習中の今、掃除をしていたのだけど……


「ちょっと、足を捻ってな……」


雨宮先輩は、ははっ、と笑いながら、左足を見せる。


「えぇっ!!大丈夫なんですかっ!?」

「あははっ。軽く捻っただけだから、大丈夫だよ。それに利き足じゃないから」


慌てる私を見て、雨宮先輩は笑っている。


「あははって……。笑っている場合じゃないですよっ!!」


もうすぐ大会だってある。

その為に、練習だって頑張ってきたのに……