部室の中の恋人

数日後――…


部活も終わり、帰ろうとした時


「じゃぁ、行こうか」


山野先輩が下駄箱と違う方向へ歩き出す。


「えっ?先輩、どこに?」


帰るものだと思っていた私は驚き、山野先輩に尋ねる。


「『どこに?』って、この間、菜月に『次の部活の時、食べに来て』って言われていたじゃない」


そう言えば、そんな事を言われたような気が……

私はあの時、雨宮先輩の事で、いっぱいいっぱいになっていて、ちゃんと話を聞いていなかった。


「すみません。あの時、ボーッとしてて……」

「そうなんだ。今日、ちょっと帰るの遅くなっても大丈夫?」

「はい」

「なら、行こうか」


山野先輩は、そう言って歩き出す。

その後ろを、私と多恵はついて行く。