部室の中の恋人

「あぁ……。別に行ってもいいんだけどさ。

料理部の子の中には、もちろん真面目に部活をしている子だっているんだけどね。この恒例行事目当てに料理部に入っている子も多いのよ。だから、サッカー部員に近付こうとしている人達からしたら、マネージャーの私が行っても邪魔なわけ。

料理部の部長には『おいでよ』って言われているんだけどねぇ……。なんか、居づらいんだよね」


そう言いながら、すごく嫌そうな顔をする。


「あっ、もしかして行きたい?なら連れて行くよ?」


山野先輩は慌てて私達に聞く。


「いえいえ。私もそんな状況の所には、行きたくないですから」


そして、多恵も嫌そうな顔をする。

その隣で私もコクコクと頷く。


“サッカー部員に近付こうとしている人達”がいる家庭科室になんて行ったら、きっと、たくさんの女の子達に囲まれている雨宮先輩を見る事になる。

その状況を思い浮かべるだけで沈んだ気持ちになるのに、その場に居たら、もっと落ち込むだろう。

と言っても、私は雨宮先輩の彼女でもなんでもない。

ただ、私が勝手に好きでいるだけなんだけど。

それでも、やっぱりそうゆう状況は見たくない。