そのままサッカー部の部室へ行き、拓真が私と多恵を部長の長谷部(はせべ)先輩に紹介する。


“雨宮先輩目当ての人は断っている”

そう聞いていた私は

大丈夫かな?

って、不安だったけど、長谷部先輩も私と多恵が入部する事を喜んでくれた。


ただ……


「これだけは、先に言っておく。部内恋愛禁止とは言わない。だけど、仮に誰かと付き合ったとしても、二人の事は、部活に持ち込まないでほしい。喧嘩をして気まずくなろうが、部活はしっかりやってほしいんだ」

そして


「わざわざ、こんな事言いたくないんだけどなぁ」


はははっ、と長谷部先輩は笑いながら言う。


「大丈夫です」


そんな長谷部先輩の言葉に、私と多恵は声を揃える。


だって、雨宮先輩と付き合う事なんて、絶対に無いから。

だから、そんな心配はいらない。