そして、少し気まずい空気が流れる中


「……で、麻美佳ちゃんは、マネージャーやってくれないの?」


雨宮先輩は俯いている私の顔を覗き込む。

雨宮先輩は無意識でやっている行動。

私の事、妹としか思っていないとわかっていても、その近さにやっぱりドキドキする。


「えっ、えっと……。私、サッカーのルール、ほとんどわからないし……」


雨宮先輩と一緒にいられる事は嬉しい。

だけど、妹としか思われていないのに、側にいるのは辛い。

だって、こんな風にわかっている事に念を押されたりする事がまたあったら、その度に、落ち込んでしまうだろう。

それなら、今までみたいに遠くから見ているだけの方が、ショックを受けなくていい。

だから、私は断ろうと思ったのに……


「そんな事、気にしていたんだ」


雨宮先輩はそう言って、にこっと笑う。