「なんか、俺らが入る前、もう一人マネージャーがいたみたいなんだけど。雨宮先輩目当てで入部してマネージャーになったらしくて……。で、その人、雨宮先輩に告白してフラれて。そのまま部活辞めちゃったんだって。

もし、またそんな事があって、ころころマネージャーが変わるのは雨宮先輩にも部内にも迷惑がかかるから、そんな事がないように雨宮先輩目当ての人は断っているみたいなんだ」


雨宮先輩の事が諦められなくて、今も好きな私。

私も雨宮先輩目当てにならないのかな?

まぁ、拓真には私の気持ちを話した事がないから、私が雨宮先輩の事を好きだなんて、知らないだろうけど。


「だから、マネージャーを探しているんだよ!なぁ、まみ。お願いっ!マネージャーになって!!あっ!もしかして、もう部活決めた?」


ハッとした表情で、拓真は私を見る。


「多恵(たえ)と一緒に『美術部に入る?』って話はしていたけど……」


多恵も同じ中学出身。

そして、中学の時、一緒に美術部に入っていた。

多恵とはその頃からの親友だ。

同じ高校に入学した私と多恵は


「また、美術部に入る?」


ついこの間、そんな事を言っていた。