部室の中の恋人

そして、その瞬間


『まみは雨宮先輩の事、好きになった』


なんて、多恵が言っていた事を思い出し、顔が熱くなっていくのがわかる。

しかも、すごい早さで、心臓ドキドキしているし……

多恵がヘンな事を言うから、意識しちゃうじゃないっ!!


「ねぇ、それ、俺達?」


いつの間にか私の隣に座っていた雨宮先輩。

今の私の行動がおかしかったのか、笑いながら私を見ていた。


「はっ、はいっ……。あっ!勝手に描いて、すみません」


今の状況にドキドキしながら、私は謝る。

やっぱり勝手に描かれていたら、嫌だよね。

先に“描いてもいいか”聞きに行くべきだったよね。


そんな事を考えていたら


「あははっ!謝らなくてもいいよ。君、この間の子だよね?名前は?」


私の隣で、しかも、すごく近い距離で笑い掛けてくれる雨宮先輩。

飛んできたボールから助けて貰った一瞬の事だけど、雨宮先輩が覚えていてくれた事が嬉しい。

雨宮先輩が隣にいる事に、私のドキドキはますます早くなるし、雨宮先輩に聞こえてしまいそうなくらい煩くなる。