部室の中の恋人

多恵にそんな事を言われた数日後――…


部活の時間。

文化祭に展示する絵のスケッチをしようと、私はグラウンドへ向かう。

そして、サッカー部の練習の邪魔にならないように隅の方に座り、スケッチを始める。

いつも部活で描いているのは、人や物や風景。

止まっているもの。

でも、今、私が描いているのは、雨宮先輩だけじゃなく練習しているサッカー部の人達。


動いている人を描くのって、難しいよな


なんて思いながら、スケッチをしていると……


「何しているの?」


頭の上から声が。

顔を上げると、そこにいたのは


「あ、雨宮先輩っ!?」


私の描いているスケッチを覗き込んでいる。

恥ずかしくなり、私はガバッとスケッチブックを身体で隠す。