部室の中の恋人

「まみ、どうした?」


急に止まった私に、多恵は振り返り声を掛ける。

多恵には全部話したけど、どの人かは言っていない。


「あそこに居る……」

「あれ?まみと多恵じゃん」


私が多恵に話そうとすると、後ろから拓真の声が。

振り返ると拓真の隣には、雨宮先輩が好きだったあの先輩もいた。


「こんな所で立ち止まって、何してんだ?」


拓真に雨宮先輩と付き合うようになった事は話していない。

もちろん、あの先輩達に呼び出された事も。

拓真は同じクラス。

だから、前に呼び出されたあの日。

1時間目の授業に出られなかった私は、拓真に聞かれても「体調が悪かった」と誤魔化していた。

瀬戸には、

「拓真にも言わないで」

と、お願いをしていた。

だから、何て答えようか迷っていると


「あっ、あれか……」


私が答えるより先に、拓真は校門の所にいる雨宮先輩達に視線を向ける。