部室の中の恋人

ええっ!?


びっくりした私は、とっさに持っていたスケッチブックを顔の前に。

だけど、ボールが飛んでくる気配はなく……

そのかわりに


「あっぶねぇー。ごめんね」


と、男の人の声が。

スケッチブックを下ろし、声の主を見る。


「あ、雨宮先輩……」


目の前には、申し訳なさそうに私を見ている雨宮先輩がいた。

1つ上の先輩だけど、私達1年生の間でも人気の雨宮先輩。

だから、もちろん雨宮先輩の事は知っていたし、カッコイイ人だとも思っていた。

その先輩が、今、目の前にいる。

だからなのか、私の心臓はドキドキと早くなる。

そして、緊張して固まったままの私に


「大丈夫?」


雨宮先輩は、心配そうな表情で私の顔を覗き込む。

あまりの顔の近さに、私の心臓はますます早くなる。

そして、顔も熱くなっていくのがわかる。