どろっぷ 〜笑顔の魔法〜

校門をくぐると、さっそく生徒の目線を集めてしまった。

私は昔からちょっと人目をひく体質(?)で、外に出るといっつもこんな感じだ。

「こーき。やっぱモテるね。あんた。」

「そーじゃないよ。昔からこうゆう体質なんだから。」

私が歩くたびに周りがザワザワと騒がしくなる。

「なぁ、あの子可愛くない?」

「だよなぁ。おい、あの子に話しかけて来いよ!」

「いや、無理だって!あんなの近づける存在じゃねぇーよ!」

周りの子はそんなこと言ってるけど、逆に私は色んな人に話しかけて貰いたかった。

始めての市外からの通学だから、まだ友達はあいらちゃんだけ。

だから、新しい友達が沢山欲しかったのだ。


さっきから後ろが凄く騒がしい。

「やべっ!超飛んだ!瞬っ!とって!」

「ちょっ!無理だって!」

バタバタと足音が聞こえて、後ろを振り向くと、一人の男の子が走ってきた。

「うわっ!」

「きゃっ!」

ドサッ



「いってぇ」

男の子の声がして目を開けると、そこにはさっき走ってきた男の子の顔がすぐそこにあった。

私は今どんな体勢なんだろう…?

ふと、体をみると、私の上に男の子の体がかぶさっている体勢だった。

「うおっ!ご、ごめん!どっか打ったか?痛いところとかないか?ごめんな?俺の不注意で…」

私の上にいた男の子が立って心配な顔で私の顔をのぞいてきた。

「だ、大丈夫です。こちらこそ、私が気づいていれば…」

「君のせいじゃないよ。ほら、立てるかい?」

そういって手を差し伸べてくれた。

「あ、ありがとうございます」

男の子の手を握り、制服についた汚れを払いなが立った。

「はい。これ、君の鞄でしょ?」

地面に落ちている私の鞄を拾って差し出してくれた。

「ありがとうございます。」

「いやいや、転ばしちゃったのは俺の方だ…」

そういって私の顔を見るなり、顔を赤くして目を逸らしてしまった。

「あの…私ななにかついてますか?」

「あ、いや…。なんでもない…。入学式に遅れちゃうから早く行きなよ。」

「あっ。本当だ。もうこんな時間!本当にありがとうございました。」

ぺこりと一礼してあいらちゃんの所に走っていった。