一瞬黙ってしまうあたし。
梨乃は単純にあたしをからかってるだけだって
くらい分かってる。
“先生→生徒”なんてあり得へんしっ…///
ましてや“生徒→先生”ってのも…。
そんなこんなで出した答えは
「そ~っかなぁ~?やっぱりー?って…なん
なーん!!梨乃~っ!」という
どっちともつかない答え。
家に帰ってから、着替える間もなく制服のま
まで、通学カバンの中から休み時間にさかもっ
ちゃんに書いてもらったあの早口コトバの紙を
出した。だってせっかく先生が書いてくれたん
だもん。あたしは
「旅客機百機客各百人っ、旅客機…」
とまた何度も繰り返す。
「ほんと、理紗はそれ、好きやなぁー。」
お母さんとお姉ちゃんは、そんなあたしを
あきれた顔で見てくる。
それでもあたしは、まだ早口コトバに夢中。
返事をしたのはしばらくしてから。