「ねぇ?理紗っ!今日の3送会
めっちゃ楽しみっ!」
「やんなっ!うちも!」
ある日の昼休み。ひよりとあたしはいつもの
おしゃべりタイム中。
そう、今日は“3年生を送る会”
通称、“3送会”の日。“卒業生を”
学校のみんなで体育館に集まってお祝いを
2時間する会で、主役はもちろん、
卒業生…なのに、あたしは、その2時間の間、
いつのまにか、はじっこに座っている
さかもっちゃんの方に夢中になっていた。
じぃ~っ。って観察しているうちに
また変な考えに突っ走ってしまう…。
…3年生を送るかぁー。先生は今年で転勤
しちゃうの?そしたらあたしは後の2年を
なにもなかったみたいに過ごせるかな。
ぼんやりさかもっちゃんを見つめている目から
涙が知らないうちに溢れてきた。
この涙のわけは、卒業生のことじゃなくって…
まぎれもなく、先生…さかもっちゃんが
原因だよ?
「や…ヤバい…っ。」
さすがにこんなところで泣くのは恥ずかしすぎ
る。泣いていることが回りにばれてしまわない
ように、体育座りをしている自分の膝に
顔を伏せた。