伝言聞いたかなんて今ごろさかもっちゃんに

聞いたって何の事かきっと覚えてくれてない。

それくらい、話すことが細かすぎて…、

くだらなさすぎて…。だって、1日に1回は

会いたくて、話したくて、何も用がなくても

用を無理やり作ってたんだもん。覚えておける

ようなこと言ってないじゃん、別に…。



…悔しいけどあたしだけが、さかもっちゃんに

とっての特別じゃないんだ…。生徒と教師って

関係だから。それ“だけ”だから。

生徒と教師の禁断の恋なんてないよ…。

生徒の教師への恋。それだけで…ホントに

それだけ。たとえさかもっちゃんがあたしの

気持ちに気づいてくれたとしても立場上、

関係を変えることなんて出来ないんだね…。


「もーっ!伝言聞いたかなんて聞かへん!

また気まずい空気になるの嫌やっ!」


突然あたしは叫ぶ。こうでもしないともう

限界だった。


「関係、壊してしまうことが怖い…。最初から
さかもっちゃんにあたしの気持ちへの見返り

なんか別にっ…。」


今にも泣きそうな震える声で続ける。


「別に…。見返りなんてさぁっ…。ここまで

求めやんと来たつもりやし…っ。」