恥ずかしくてしばらく、さかもっちゃんが
すぐそこにいる後ろを振り向けなくなっていた
時、ひよりと梨乃が
「あー!行っちゃった~!」
と残念そうに言っている声が聞こえてきたとき
安心してる自分がいた。
…さすがにこんなに喋れないってなると
苦しいな…。向こうは絶対そんなこと
思ってないのに自分だけがこんなにも苦しい
思いしてる…。喋る機会なんていくらでもある
のに…。さっきだって喋るチャンス
だったのに…。自分がチャンスを逃して
自分で悔しがってるし…っ。
どうしていいか、ホントに…分からないよ…。
あの時さかもっちゃんがどう思っていたか
なんて、あたしのバカな頭じゃ考えられない
し、いまさらそんなこと知ったところで
どうにもならない。何も変わらない。別に…
何も先生は、思ってないのにね…。
そう考えると、ズキッと胸が痛くなった。
存在が遠すぎて、つらいよ…。