それでも私は『   』ます。


 一方リアンは深刻に悩んでいた

 どうしましょう。ケーキの食べ過ぎでお腹が苦しいわ。

 そう、いくらおいしいといえど人のお腹に入る量は限界があるのだ。

 少し、風に当たりましょう

 「ふぅ」と息をつきながら、バルコニーへと向かう

 バルコニーに人はいなく先ほどと少し位置の変わった半月がリアンを照らしている

 明るく照らす月を見ながら誰となく聞いてみる


「もし、ダイヤがこの国の秘密を知ったら私を拒絶するのかな・・・」

 もちろん答えは返ってこない

 
 この国の・・・スカイアの秘密

 それは、≪王族≫について

 スカイアの王族は自然を操れる

 正確には、民全員だが操れても何か特定の物をほんの少しだけだ

 とても、操れるとは言えない
 
 異能、超能力、呼び方はいくらでもある

 初めて聞いたなら何を言っているんだと思う

 けれど、確かにその力はある

 日照りが続けば雨を降らせ

 雨が続き太陽が出ないようなら雲を散らす

 そして、敵には容赦なく天災を与える

 そうして、この国は守られてきた

 人を殺そうと思えばいくらでもできてしまう

 恵みと災いは表裏一体

 ダイヤは、知ってしまったなら何というだろうか?

 化け物だと、恐怖し、罵るだろうか?

 それとも、それでも同じ人だと言って受け入れてくれるのだろうか?

 いままでのように接してくれるであろうか?

 
 本当の私に気づいてほしい
 
 気づかないでほしい

 そしてもっと仲良くなりたい
 
 拒絶されたらどうしていいか分からない

 こんなにも大きな秘密を隠したままでなく

 知られてしまうのが怖い
 
 早く気づいてダイヤ
 
 お願い、気づかないで

 
 期待と不安がせめぎ合う

 ダイヤが秘密に気づいたとき

 どうなるかはまだ、誰も知らない

 リアンを照らす月でさえも分からない