「な…なお……や…」 「はい、よくできました」 ありったけの勇気を振り絞って 言ったその言葉は、やけに呆気なく、 彼の声に吸い取られた 彼が、触れるだけの軽いキスを 私の唇に落とす 彼を『直也』と呼ぶことは、 初めてではなかった 二人きりになったとき、 いつもこう言われる そして結局、私は 悪魔な彼に敗北してしまうのだ