初めての恋を君に






それからというものの、俺は常に彼女を意識していた。



彼女が俺の横を通る度にドキドキし、彼女の名前が呼ばれる度になぜか俺も反応してしまう。

学校に来るのだってかなり楽しい。
彼女がいるってだけで朝、目が覚める。


彼女が俺に話しかけて来るときは頭真っ白だけど嬉しくて仕方ないし、逆に彼女が他の男と話してるとイライラする。



まるで今までの俺じゃないみたいだ。









そんなある日、美化委員会は各クラスで美化委員のポスターを作ることになった。


ポスターは放課後に各クラスで作り、期日までに出せばよいものだった。



そして今日、そのポスターを作る予定なんだけど……




なぜか彼女は放課後に教室にいなかった。


もしかして今日じゃなかったのか?
いや、でもちゃんと今日ポスターを作るって2人で決めたし。

それとも忘れて帰ったのか?
そしたら俺との約束を忘れたみたいでショックなんだけど…





「ごめんっ!遅くなった!」



もしものことを考えて少し落ち込んでいると教室のドアから急いで走ってくる彼女がいた。



「本当にごめんっ!!今日部活出れないこと顧問に言ってなくて、言ってきたら遅くなった」



一生懸命頭を下げて謝っている彼女を見て、不謹慎ながらもドキドキしていた。


それに彼女には悪気は無さそうだし、忘れてた訳じゃなかったから俺は怒れない。