その委員会後の部活。
俺は散々だった。
ボールを見失うし、ボールを蹴ろうとしたらスカすし、先輩の指示聞き忘れるしで顧問に怒られてしまった。
けど不思議と嫌な気持ちはせず、思い出すのは彼女の顔だった。
彼女の顔を思い出してはドキドキする。
なんなんだろう、マジで。
「恋でもしてんじゃねぇのか?」
「は?」
部活が終わり、部室で練習着から制服へ着替えてる途中、永介が俺に言った。
「だって幹人部室中ずーっとぼけーっとしてるし、時々胸押さえて頬赤くしてるし」
「はっ!?それはただ鼓動が早くなってるだけで」
「だから好きな子思い出してドキドキしたんじゃん?」
「そ、そんなわけ…」
好きな子思い出して?
彼女を思い出す度ドキドキするのは、俺が彼女を好きだから?
いや、まさか。
だって今日初めて彼女と話したし、俺は彼女のこと何も知らないし。

