ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ



走ってもいないのに胸の鼓動が早く動く。


それと同時に胸の奥というか、どこか分からないところがギューッと締め付けられている気分だった。


けど不思議嫌な気持ちじゃなくて、むしろ嬉しいような心地いいような。


とにかく分からない気持ち。




ちらりと横を向くとはらりと前に垂れた髪の毛を耳に掛ける彼女。



その仕草に更に胸の鼓動が早くなっていく。




なんなんだろう、これは。
訳が分からない。


こんなの初めてだからどうしたらいいんだ。


ちくしょー分かんねえ。
分かんねえよ。




でも俺は紙に書いた彼女の名前ですらにもドキドキし始めて、そっと彼女の名前をなぞった。