実際に各々の委員会がそれぞれ集まっている教室に行き、俺と彼女は隣同士で座った。
「ね、この紙にこの委員会のメンバーの名前書くんだって。私は黒板に板書してること書くから飯嶋くんが名前書いてくれる?」
そう言って彼女から渡された紙。
その紙には美化委員会と書いてある。
あ、俺美化委員会なんだ。
今更知った自分の委員会。
そしてその時さっき彼女に言われた‘本当に話聞いてなかったんだね’という言葉を思い出してしまい、再び恥ずかしくなってしまった。
あーくっそ。なんでこんなに恥ずかしいんだよ。
いつもなら聞き流してるのに。
俺は分からない自分に少しムシャクシャしながら当てつけに、黒板に書かれてる名前をガリガリと紙に書き写した。
3分の2ぐらいまで書き写し、もうそろそろ書き終わると思ったとき、
「飯嶋くん、ここの字間違ってるよ」
ずいっと彼女が俺の方へ近づいてきた。
近づいてきたというより俺の手元にある紙を覗いているだけなんだけど、必然的に俺との距離も近くなり、彼女の顔が俺の顔の近くにある。
透き通るような肌。
ほのかに香るシャンプーの香り。
それだけでも十分ドキドキする要素は足りてるのに、俺の顔の近くで話し出す。
「ほら、ここの斎藤の斎の字が斉になってるよ」
「え、あ、う、、うん」
しどろもどろになりながら、彼女の顔から彼女の指先へと視線移す。
指摘された字を直すと、彼女はまたさっきまでの位置に戻ってしまった。