───────・・・




「───青斗っ!いいかげん起きてっ!!」




春────……



桜の花びらがひらひらと舞っている頃、
私はいつもと変わらぬ朝を送っていました。



「……ねみーんだよ、衣代。」



今こいつが言った通り、
私の名前は 道矢 衣代。


そして、寝起きの悪いこいつは
私の弟の 道矢 青斗。



「今日は高校の入学式だよ!?

私も遅刻なんてしたくないんだから、
早く起きてっ!!」



バッ!と布団をはずすと、
青斗はうなりながらも手を伸ばして──…



─────グイッ!



私の髪を引っ張った。