言えた。



言えたよ。



「……あ、愛結…?」



「分かってる。返事は分かってるから。
ただ、伝えたかっただけなの。
伝えてスッキリしたかったの。
西山さん、ごめんね?」



あたしは西山さんに笑いかけた。



喉の近くまで
泣き出しそうな想いがこみ上げていたけど、
飲み込んで笑いかけた。




「………っ」



すると、比呂は…
少しホッとした顔をする。




「…俺さ、お前と小さい頃日記を書いてたの
思い出して、久しぶりに見たんだ。」



「え?」



「その時最後のページにさ、
お前が『だいすき』って書いてくれてたの
初めて見たんだ。ごめんな。
あの時日記を渡されてから、俺見ずに止めちゃって。」



前に、謝ってきたのは
この事だったんだ。