そう言いながら、
あたしに薄い茶色のカーディガンを
差し出して来たのは比呂だった。



「え?比呂が寒いじゃん」



「俺平気だし。使えよ」



と比呂に半ば無理矢理カーディガンを渡され
それを羽織った。



結構大きくて袖を通しても
手が出ることはなかった。


そして下の部分も、
お尻よりも下になり
まるでワンピースのようになったしまった。



それと比呂が今まで着ていたからか
とても暖かくて比呂の家のフローラルの香りがした。



嬉しさからか
とても早いスピードで鼓動がドキドキと動いた。



斜め後ろと近くにいる比呂に
聞こえなければいいと願った。