「あのさ、昨日、カバンありがとな。
芽衣が届けてくれたよ」


「ううん。かっこ良く帰って行くから、
持ってってあげよーって思っただけ」



あたしはそう言って歩き出す。



ていうか、
カバンを届けたのは
話す口実かな…



でも結局西山さんに頼むことになっちゃったけど…



心の中で苦笑いをした。



「嬉しかったよ」



そう言ってあたしの腕を掴む比呂。


ビックリして思わず振り返った。



「……う、ん…よかった…喜んでくれて。
じゃ、また後でね。」



「なんで、一緒に行こうよ」




比呂のその言葉で
あたしたちは一緒に教室へ向かった。