「……ううん、愛結は優しいんだよ。 俺はいつもズルい。汚いんだ。」 陸は「教室戻ろう」と続けて あたしの手を掴んだまま、教室へ戻った。 “俺はいつもズルい。汚いんだ。” 陸のこの言葉は あたしの胸にグサッと刺さる。 だって……あたしがあたし自身に 思っていたことだったから。 陸は汚くなんかない。 ズルくなんかない。 あたしなんだ………