ねぇ、こっちむいて。


「ありがとう。今度倍にして返すね。」

「別にいい」

「倍返しだ」

「……ドラマか」



小鳥遊君も見てたんですねあのドラマ。流行語大賞にもなったよね、確か。


ふっとぎこちなく、だけど優しく笑った小鳥遊君が、


「本当にいいから。つーか、たかがシャー芯3本でそんな感謝されると逆に困る」


と言って私のほうを見た。



あ。———目が合った。


そういえば小鳥遊君と目を合わせるのって初めてかもしれない。

私もじっと見つめ返すと、時間がたつにつれてなんだか恥ずかしくなってうつぶせになった。


絶対私の顔真っ赤だぁ……。


熱くほてった頬をどうやって冷まそうかずっと考えている私は知らなかった。

小鳥遊君も同じくらい真っ赤な顔をしていることを。

そして、一部始終を見ていた私の友人がどれだけ冷めた表情で私たちを見ているかなど。




「なんなのあんたら。付き合ってんの?」


ため息交じりに吐き出された皐月ちゃんの言葉に私は勢いよく顔をあげて反論した。



「~!!ち、ちがっ…小鳥遊君とはそんなんじゃ……」

「はいはいわかったわかった。リア充滅んでしまえ。」

「わかってない!」



文句を言うけど皐月ちゃんは意にも介していない様子で立ち上がった。



「じゃあ毎回トップ5に入る秀才彼氏に教えてもらえば~?友人Aに教わるよりずっといいっしょ。」