Bitter chocolate








遠かった図書室にやっとのことで到着し、少しほこりのかぶった椅子に腰を下ろした。


「疲れたー」


「いやいや、林檎ちゃんより絶対俺のほうが疲れてるから」


苦笑しながら、純也くんが目の前に座る。


あ、それもそうか…。


「純也くんいなかったら今頃まだ廊下の半分も行けてなかったよ。ほんとにありがとう!」


「いーえ。少しはポイント稼げたかな?」


「ポイント?」


「林檎ちゃんの中での俺の好感度、少しは上がったでしょ?」


ポイントってそういうこと…。


上がってないわけではないけど…。


「それ言わなかったらもっと上がってたけどね」


小声でぼそっと呟くと、純也くんはハッとしたように口元をおさえた。


「い、今のは聞かなかったことに…」


「できません」


すかさずそう言ってやると、純也くんはうわあと泣くマネをした。


そのやりとりが何だか凄く面白くて、思わずぷっと吹きだしてしまった。


純也くんも結構面白かったみたいで、二人で顔を見合わせクスクスと笑いあった。