Bitter chocolate







別館に行くまでがまた遠いのに、この大量の本を持ってなんて…。


新手のいじめなの?と馬鹿げたことも考えてしまう。


とりあえず、ごちゃごちゃ考えてる暇はないため頑張ってボックスを引きずる。


クラスの人はもう誰もいなく、教室にはズリズリとボックスを引きずる音が響く。


やっとのことでドアの前まで移動でき、ふうと大きく息を吐いた。


重すぎるよ…。一体何冊の本が入ってるんだか…。


さすがに廊下を引きずって歩くわけにも行かず、もうこのまま放って帰っちゃおうかなとも思ってきた。


適当にクラスの男子一人でも捕まえておけばよかった…。


長い廊下を見つめ、気が遠くなる。


せめてもう少し力があればなぁ…。


「…ふんぬぬ……」


腕の筋肉をフルに使って、何とか少し持ち上げることが出来た。


しかし、ボックスと床との距離は1メートルない状態で、歩けるわけもなく…。


結局また、振り出しに戻ってしまった。


「あれ、林檎ちゃん?何してんのー?」


ふいに、後ろからそんな声が聞こえ、ぽんっと肩を叩かれた。


「…わ、純也くん…」


振り向くと、そこには帰る支度をした純也くんが立っていた。


「何そのボックス」


「な、なんかね、このボックスの本全部図書室に返しとけって言われて…。あたし今日日直だから任されちゃってさ…。でも重くて全然運べないの」


少し気まずくて、どんな表情をすればいいかわからない。


純也くんを真っ直ぐに見つめることは出来ずに、斜め下を見ながら早口で話す。