でも、あたしは…。
「利用、なんて…そんなの出来ないよ…」
「なんで?」
「だって…、好きな人に利用されるのって物凄くつらいことだから…。あたしがよく知ってるよ…」
応援なんてしたくないのに、圭と虹華ちゃんのことを笑顔で見守らなきゃいけないつらさ。
圭から聞く、虹華ちゃんとの話。
見るたびに、聞くたびに胸の奥底が締め付けられて…、どろどろと黒い感情が湧き上がってくるんだ…。
そんなこと、純也くんにさせたくないよ…。
「俺が林檎ちゃんを好きになったのって、多分そういうところ」
「え?」
「真っ直ぐで、全部自分で抱え込むところとか、自分より他人優先のところとか。なーんか守ってあげたくなるんだよね」
純也くんはにこっと笑顔になると、ばっと立ち上がった。
純也くんの目に、あたしってそんな風に写ってたんだ…。
なんか恥ずかしいような、照れくさいような…。
「あんまり深く考えないで。…まあ、俺が好きってことはもう知られたわけだし…隙あれば遠慮なく行かせてもらうけど」
「へ?!」
「風邪引くとダメだからそろそろ戻ろうか。ほら、迷子になるとダメだからしっかり着いてきてねー」
スタスタと、また草ゾーンに入っていく純也くんに慌てて着いて行く。
…純也くんは凄いな……。
叶わないの知ってるのに、真っ直ぐに思いを伝えることが出来て…。
あたしだって純也くんと同じ立ち位置にいるのに…、純也くんのように圭に気持ちを伝えることは今の時点ではきっと出来ない。
純也くんのように、強くなれたらなぁ…。
相変わらず険しい道を歩きながら、あたしはそんなことを考えてた。

