Bitter chocolate







いつもは少ししか見えることのない星。


何気なーく見ていたけれど、こんなに綺麗だったなんて思わなかった。


「あっ!い、今流れ星通ったよね?!ヒューンって!」


初めて見る流れ星に、思わずテンションが上がる。


空を指差し、興奮気味にそう言うと、純也くんはクスクスと笑った。


「元気でた?」


「え?」


「…いつも、嫌なこととかあった時、こうやって星を見てたんだ。たくさんの星を見てたら自分の悩みなんて凄く小さく思えて、悩みなんてすぐ吹き飛ばされた。だから、林檎ちゃんに見せたかったんだ」


空を見上げ、微笑みながら純也くんはそう言った。


あたしに見せたいものって、これだったんだ…。


確かに、テンション上がったし…元気でたかも…!


「純也くん、ありがとう!」


純也くんの方を向き、にこっと微笑む。


こんなに綺麗なもの見せてもらって、元気でないわけないよね。


純也くんにはほんとに感謝しなきゃ。


「林檎ちゃん」


辺りがやけに静かで、地道に空の星の数を数えているとふいに名前を呼ばれた。


「ん?」


「…好きだよ」


「え…?」


星の数を数えるのをやめ、純也くんの方を向く。


…今、何て言った……?


聞き間違い…?