「で、でも着替えとかは…?」
泊まるなんて何も聞いてなかったから、何も持っていない。
「あ、それなら大丈夫。女物の服とかならここのクローゼットにあるよ」
「え?どうして?」
「…んー、それはあんまり聞かないでくれると嬉しいな」
純也くんは、急にふっと真顔になった。
変なこと聞いちゃったかな…?
少し気まずい空気が流れてしまった。
それに気づいたのか、純也くんはすぐ笑顔になると、「どうかな?」と聞いてきた。
「分かった…!お母さんに連絡してくるね」
好きな人以外と同じ家で一夜過ごすのもどうかと思ったけど…、あたしのためにわざわざここまで連れてきてくれたことだし今日は泊まることにした。
たぶんお母さんは今日も夜勤だと思うけど、無断外泊はダメだよね…。
お母さんになんて言えばいいかわからなかったから、あたしは適当に「友達の家に泊まるね」と連絡した。
少しばかり罪悪感はあるけど、純也くんは友達だし間違ってはない…よね?
電話越しに、お母さんの声を聞いて、最近顔見てないなぁと少し寂しくなった。

