そんな馬鹿なことを思い、缶に書いてる表記を読むがなんら変わりはない。
少し残念、なんて思いながらまた一口飲む。
結構体が温まってきたところで、ずっと思ってた疑問を純也くんに投げかけてみた。
「あたしたちって、今どこに向ってるの?」
さすがに行き先がわからないと少し不安。
周り一面緑しかないし…。遭難でもしたら大変だ。
熊なんて出てきたとしても、戦えない。
一応携帯はあるけど、圏外になりそうだし今のうちに避難ルートとか調べておかないと。
純也くんはふっと笑い、
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。この上に俺の知り合いの別荘が合ってさ。そこに行くつもり」
と、言った。
純也くんって、ときどき人の心の内が見えてるんじゃないかってほどピンポイントにあたしの思ってることに対して答える。
今だってそう。
あたしはただどこに向っているかって聞いただけなのに、心配しなくても大丈夫だよって。
あたしの思い込み?それともあたしが表情に出やすいの?
どちらにしろ、純也くんにはあたしの考えが全て見透かされてるようで怖くなる。
普通に接するぶんには、いい人だって思ってきてはいるんだけどね。
それにしても、別荘って凄い。
お金持ちの知り合いなのかな。
それとも、今時別荘って珍しくないのかな?
別荘=お金持ちって発想はもう古いかな…。

