どのくらい走ったんだろう。
バイクが止まった。
そういえば、どこに行くか具体的に教えてもらってないのに気づく。
走ってる時も、周りを見たりしてたけど景色が流れていくのが速くて全然わからなかった。
「ちょっと休憩しよっか」
そこは、山の中のサービスエリアみたいなところだった。
高速道路のところとは違い、トイレと自販機だけしかない。
あたしと純也くんはバイクから降り、ヘルメットを外した。
辺りを見回すと、一面緑だった。
…こんなところ初めてきた。空気が美味しいってこういうことを言うんだ…。
「はい、飲み物。ミルクティで良かった?」
山の中の空気の美味しさに感動していると、純也くんが自販機で飲み物を買ってくれたようで。
ぴたっとミルクティを頬にあてられた。
「うん、あたしコーヒーは飲めなくて。ありがとね。お金は…」
「いいよ、俺の奢り」
あたしの言葉を遮り、純也くんはそう言ってコーヒーをごくっと飲んだ。
「え、でも…」
「飲み物のお金払わせるとか、俺が小さい男みたいでやだし」
だから黙って奢られてって、純也くんが言う。
これ以上は、なんか言っても無駄な気がするから大人しく甘えることにしよう。
温かいミルクティをごくっと飲む。
内側から、じわじわと温かさが広がっていく感じ。
寒い中飲む飲み物ってなんでこんなに美味しいのかな…。
なんか秘密でも隠されてたりして。

