“虹華”
その名前を出すと、圭は照れ臭そうに頬をかいた。
圭は、好きな人ができると真っ先にあたしに相談してくる。
今回もそう。
「俺、好きな人が出来た!」って言って、あたしの部屋に乗り込んできた圭。
そんな圭に対して、あたしはいつも「圭なら大丈夫だよ!頑張ってね!応援してる!」と笑顔で返す。
…笑顔は作れているかわからないけど。
応援してる、なんて嘘。
圭のその声、その瞳、その心。
圭の全てがあたしに向けられればいいのに。
…なんて、そんなことを考えている。
表では応援してる!なんて言う癖に、裏ではそんなこと思ってるなんて…あたしは何て醜いんだろう。

