Bitter chocolate







机に伏せ、涙を流す。


「…うえっ……ふ…っ」


羨ましい、羨ましい。

虹華ちゃんが羨ましい。


あんなに圭に思われてて。

虹華ちゃんが泣いてれば、圭がきっと優しく手を差し伸べてくれるんだろうな。


「泣かないで、お姫様」


そう、まさにこんな風に王子様みたいにかっこよく…って…、


「え…?」


突然聞こえた声。


あたしが思っていた通りのことを言った声。


誰…?


そう思い、伏せていた顔を上げると、そこには純也くんが立っていた。


「…お姫様なんて、少しくさかったかな?」


そう言って、笑う彼。

なんでここに…。


この前の一件から、純也くんのことを少し避けていた。


なのに、なんであたしの居るところに現れるのかな…。


「あっ、圭だと思った?ごめんね俺で」


あたしの無意識の睨みに気づいたのか、純也くんはからかうように謝ってきた。

思わずむっとして、言い返す。


「…別に。圭と喧嘩したし。来てくれるなんて思ってないし…」


拗ねたように呟くと、純也くんは驚いたのか素っ頓狂な声を上げた。


「…えっ、圭と喧嘩?なんで?」


普段は温厚な圭とどう喧嘩したのか気になるのか、純也くんは興味津々な様子。

あたしの向かいに座ると、「詳しく教えて?」と首を傾げた。

最初は話してやるもんか!と思っていたけど、誰かに話さないとイライラが治まらないような気がしたから、あたしはポツリポツリと純也くんに話始めた。