圭には悪いけど、虹華ちゃんには早く帰ってほしい。
せっかく圭と二人きりで楽しかったのに。
なんともいえない、複雑な感情があたしを支配する。
「あの…、虹華ちゃん、ほんとに大丈夫だから…っ」
「三人でやったほうが早く終わるでしょ?圭くんとまた一緒に帰りたいな」
虹華ちゃんのその一言に、あたしと圭の動きがぴたっと止まる。
圭くんとまた一緒に帰りたい…か。
虹華ちゃん、あたしと圭がもし本当に付き合ってたら虹華ちゃんは彼女の前で彼氏とべたべたしてることになるんだよ?わかってる?
声を荒げて、そう言ってしまいそうになるのをぐっと抑えた。
圭の顔は、さっきよりずっと真っ赤だった。
この場合、邪魔者はあたしなんだろうな。
虹華ちゃんはあたしのこと、きっと邪魔だって思ってる。
圭はよくわからないけど、あたしよりかは虹華ちゃんと居たいのは確かだと思う。
そう考えたら、何だかあたしは無性にイライラしてきてしまった。
「ほんとに大丈夫だから。二人でも全然終わる量だし…。明るいうちに帰ったほうがいいんじゃない?」
少し冷たくそう言い放ってしまった。
虹華ちゃんは、一瞬驚いたような顔をした後、むっと顔をしかめた。
「圭くんに送ってもらえるならいくら暗くなったって安心だもん」
子供のようにそう呟くと、ぷいっと顔を背ける虹華ちゃん。
あたしの中の何かが、ぷつっと切れる音がした。

