Bitter chocolate







身動きをとることが出来ず、ただただ純也くんの香水の匂いにクラクラしていた。


…少し苦しいかも……。


純也くんから離れようにも、動けない。


何で抱きしめられてるのかもわからない。


「…行ったな……」


ふと、頭上から声が聞こえた。


よく聞こえず、聞き返そうとするとぱっと純也くんから解放された。



「ごめんね、苦しかった?」



そう言って、微笑む純也くん。


それは詫びてる笑顔じゃないとして…。



「何で抱きしめてきたの?」



一番の問題はこれ。

あたしを抱きしめた理由はなに?


じっと純也くんを見つめると、純也くんは横に目を一度逸らした。


その後、またあたしを見て、


「…なんでもないよ」


と、笑った。