Bitter chocolate









それからは、もう頭の中がぐちゃぐちゃで口を開かず俯いて歩いた。


純也くんはあたしのことをどうしたかったんだろう。


あたしの気持ちを知ってるなら、何で利用すればなんて…圭に……。


…純也くんの気持ちが何一つわからない。


あたし、もしかして純也くんに嫌われてる?だから圭にそう言ったの?


仮の付き合いの初日にあたしにバラしたのも、最後まで隠し通すより傷つくと思ったから?


…やっぱりあたしは、この人が苦手だ。


改めて、そう思った。


早く家に帰ってベッドに横になりたくて、少し足を速める。


すると突然、後ろからぐいっと腕を引っ張られた。


頭が働くより先に、すっぽりと何かに包まれる。


風は冷たいのに、あたしの周りだけ温かい。


少しだけ嗅いだことのある男物の香水が、あたしの鼻をたくさんくすぐる。


…あたし抱きしめられてる……?


そう気づくまで、少し時間がかかってしまった。


「…じゅ、んやくん……?」


あたしの抱きしめてる張本人の名前を呼んでみるも、反応はない。


それどころか、さらに強く抱きしめてきた純也くん。


あたしの顔が見えなくなるくらい、すっぽり純也くんに包まれる。