Bitter chocolate







圭の本当の彼女になりたい。

圭にもっと触れたい。

圭の特別になりたい。


そう思うのに、今の関係を壊したくなくて、告白する勇気はない。


あたしは何てワガママなんだろう。


好きって、ただ二文字伝えればいいのに。

何でそれができないんだろう。



「…はは…、こんなので仮の彼女なんて務まるのかな…」


乾いた笑いと共に、ぽつりと呟いた。


楽しく喋っている圭と虹華ちゃん。

こんな中、あたしのやるべきことはただ一つ。


あたしは携帯を取り出し、圭にLINEを送る。


ネットってほんと便利。

文章だけ、明るくすれば何も気づかれることがないから。


『今日、先輩とカフェ寄ってから帰るから先に帰ってて〜!』


あたしは素早くそう打つと、送信ボタンを押した。


すぐ近くで、ピコンという通知音が聞こえる。


きっと、圭の携帯だろう。


携帯を見た圭と、虹華ちゃんの会話が途切れ途切れだけど聞こえた。


あたしの仕向けた通り、圭はあたしと帰らないからって虹華ちゃんを家まで送り届けるそう。


まあ虹華ちゃんみたいな可愛い女の子、一人で歩いてたら危険だしね。


……あたしも女の子だけど。